サイハテの手記

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【一眼レフ】神社で出会ったおじいちゃんがカメラマンだった

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一眼レフを買ってから、一年が経ちました。

カメラを買ったきっかけは、道内旅行。
コンデジは持っていたのですが、いろいろな土地をめぐっていて、その素晴らしい景色を見ているうちにコンデジでは満足できなくなっていきました。

 

 

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「もう我慢できない!一眼レフ欲しい!」と思うきっかけになった場所(最北の地・稚内の宗谷丘陵)

 

f:id:sainomeproject:20160505021813j:plain宗谷丘陵にはものすごい本数の風車があります。写真右奥に立っている白いのもそう

 


この場所に出会って、意を決して購入。一眼レフを買ってもう一度ここに来ようと決意。
私にとってはかなり高い買い物でしたが、まったく後悔してません。むしろ買って良かったって未だに思ってます。
(購入したカメラについては記事のさいごにご紹介します)

 

 

最初はいじり方もよくわかってなかったし、あんまりいい画が撮れなかった。
今回は、一眼をはじめてすぐに出会ったおじいちゃんの話をしようと思います。

 

 

去年のGWに、お世話になっているWEB会社さん主催のお花見に行ってきました。

札幌のお花見で有名な場所に北海道神宮があります。
ここのすごいところは、桜が見られるだけでなく、神宮周辺の大きな公園で焼肉やってもジンギスカンやっても怒られないところです。なので、桜の時期になると人と煙でごっちゃになります。

そこに買ったばかりの一眼レフを持って、練習も兼ねて社員のみなさんが肉を焼く姿を写真に収めて楽しみました。

 

 

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ね、すごいでしょ?人と煙でしょ?

 

 

f:id:sainomeproject:20160505022556j:plainリアル花咲爺さんいてびっくりした。この服装で個人的に毎年来てるんだそうな。

 

 

肉の会が終わって会社のみなさんと解散して、そのまま帰るのがもったいなかったので、神社を見て回りながら写真の練習をしていました。

 

 

f:id:sainomeproject:20160505023040j:plainいま見るとうーんなアングルの写真多い

 

 

そのまま境内に入って神社の写真を撮っていると、おじいさんに話しかけられました。「君、カメラやってるの?」とか、そんな具合だった気がします。眼鏡に白髪まじりの、片足を少し引きずっているおじいさんです。

私が「まだ買ったばかりなんです」と答えると、おじいさんは神社の写真を撮る私についてまわって、カメラアングルやフレームに何をおさめるべきかを話し始めました。

実はこのおじいさん、元々テレビ局でずっとカメラマンをやっていたというすごい方だったんです。一眼レフを始めて早々、すごい人に出会ってしまいました。

 

このおじいちゃんのカメラ講座を、これから余すところなく書いていきますよ!
写真を撮るとき、プロが一体何を捉えているのか、面白いのでぜひ見ていってくださいね。

それでは、講習スタートです。

 

 

 

 

 

1. 人にはマネできない、おもしろいアングルを探す

私がただ普通に構えて写真を撮っていると、おじいさんがこう教えてくれました。

「普通のアングルで撮ると、普通の写真になっちゃうよ。」
「だから僕らプロはね、人とは違う視点を探すんだ。例えばカメラを地面に置いてみたり、わざと木のすき間から撮ってみたりするんだよ」

 

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やばいなにこれもう面白い

 

ただし、生身のレンズでこれをやると傷がついて大変なことになってしまうので、必ずレンズフィルターをつけて下さいね。
フィルターは何千円かで売ってるので、これで数万円のレンズが守れると思えば安いものです。写真を撮るだけで普段と違う雰囲気が出せる、色つきレンズもありますよ。

 

 

 

 

2. ストーリーを見つける

おじいさんが「カメラマン紹介するよ!こっちおいで」と、膝の痛みをかばいながら、境内の中央まで私と歩きました。そこにいたのは男性と女性のカメラマンさん。2人とも礼装です。

「この2人は結婚式の写真を撮っているんだよ」と、おじいさん。

 

男性カメラマンさんはおじいさんの部下?なのか、頭が上がらない様子。とてもにこやかで、私にもとても親切にしてくれました。
女性のカメラマンさんは、おじいさんの娘さんでした。動画を撮影しているようで、テレビ局のようなカメラを肩に抱えていました。ハキハキとした、芯の強さを感じる女性でした。

 

おじいさんは私を紹介してくれて、私も簡単な自己紹介や名刺を渡したりしました。色々話しているなかで、その男性カメラマンさんがふいに「ちょっとここにしゃがんでみて。ここから撮ってみてごらん」と言いました。それが、この写真です。

 

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そこには、椅子がただ並んでいます。刺繍の入った、折りたたみ式の低い椅子。まだ誰もいない、でも、ここに全員が座るのを待っている椅子。
ここは式を終えた新郎新婦とその家族が、写真撮影で座る場所だったんです。

 

カメラを構えてすぐ分かりました。そして興奮しました。
「すごい!この人たちは、私には見えないものが見えている!!」
こんな場所、なかなか撮る機会ない。そう思って、後悔しないために何度もシャッターを押しました。

 

画角の美しさだけを重視している人は、きっとこういう撮り方には気づきません。
その画に、時間の概念を加える。未来や過去という『時間』を画ひとつでどう伝えられるか。そこにもプロとアマとの違いがあるように感じました。

 

 

 

3. 風景は朝と夕方で撮るに限る

朝や夕方は太陽が傾きます。なので、影が立体的に映ります。
逆に昼に風景を撮ると、光の方向が真上から降り注ぐことによって影のつき方が平面的になってしまうので、立体感が出ず、あまりグッとくるものが撮れづらいそうです。曇りのときも同様なんだとか。
なので、昼や曇りのあいだは影があまり影響しない接写で撮影するといいそうです。

 

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昼撮影。輪郭がパキっとしすぎるし、情緒が伝わりづらい画に。用途によって使い分けが必要かも。

 

 

f:id:sainomeproject:20160505035313j:plain朝夜撮影。趣や佇まいなど、画以上に気持ちや感情を呼び起こすものが撮りたいなら昼以外がおすすめ。

 

 

4. プロとアマの違い

その男性カメラマンさんから聞いた話です。

「今はカメラも性能が良くなってきていて、昔よりもいい写真が撮れやすくなっています。なので、素人さんでも、いいカメラを使えばそこそこの写真が撮れる時代です」
「だから僕らプロは、センスで勝負するんですよ。この結婚式の写真も、普通は全員をフレームに入れて真正面から撮るけど、僕はあえて斜め横から撮ることにしているんだ」

そういえばおじいさんにも「カメラを斜めに傾けて撮ってごらん」と言われました。私はそのときコツが分からなくてうまく撮れずに「うーん」って言われてしまいましたが(苦笑)、普段とは違う視点を探したり遊びを入れてみて、常識破りなアングルを探すのも周りと差をつけるひとつの手なのかもしれません。

 

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斜めに撮るの、難しくてほとんど練習してません… せ、せめて、しゃがんで撮ったやつを…

 

 

 

 

5. 邪魔な部分は切る

おじいさんが最後に教えてくれたのがこれ。
余計なものはなるべく入れない。入れたいものはひとつにしぼる、ということでした。

 

この「余計なものを入れない」は、要はトリミングです。
これから撮る場所のどこを切り取ってフレーム内に納めるか。主役の邪魔になるようなものは入っていないか。もし邪魔なものが入り込みそうだったら、それをどうやってフレーム外に出すかを、撮影する前に「目でトリミングしてからシャッターを押す」ということでした(これ、かなり大事です)。

 

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左:周辺の木が映り込みすぎて池のインパクトが弱くなっている
右:池を中心にズームして周辺の木をフレームアウトさせたので、池そのものに注目しやすい

 

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これは逆の手法。のれんをくぐったような印象を与えたいので、あえてのれんを見切れさせている

 

 

 

もうひとつの「入れたいものをしぼる」も大事です。
フレーム内に主役を2つ以上入れると、その写真を見る側の人はどっちに注目したらいいか分からず、本当に伝えたい部分や見せたい部分がかすんでしまう。だから伝えたいものには順序をつけて、どこを一番見てほしいかを決めて、その部分が主役になるようにすると、ストレートに心に響く写真が撮れるそうです。

 

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左:被写体が多すぎるし、目線が普段見ている視線と似てるせいで画が平凡に
右:大きさや奥行き、撮影する高さを変えるなど、工夫することで面白みが増す

 

 

 

 

おじいさんも、紹介してもらった2人のカメラマンさんも、本当にとても良い人でした。特におじいさんは膝が痛いにもかかわらず、小さな石段の段差によろけながらもつきっきりでカメラのことを教えてくれました。
お礼と挨拶をすませて境内を出て、時計を見ると2時間も経っていました。初対面の私にそれだけの時間と親切をくださったこと、未だに感謝しています。すごく素敵な出会いでした。

 

私はその帰り道、神社のまわりで更に1時間粘って自主練しました。さっきもらったばかりの優しさを、結果にして残して帰りたいと思ったからです。それが、この写真です。
光の漏れかたと葉のしずくの瑞々しさが伝わる写真をなるべく追求して撮りました。シャッター切るときはブレないように息を止めてるので、ゼエゼエ言いながら撮ったものです。

 

 

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ちゃんとそれっぽく見えてますでしょうか

 

 

私があのときおじいさんに出会ってなかったら、もっと写真の撮り方も違ったかもしれません。うん、絶対に違う。もっと撮り方の幅が狭かったと思います。

あの出会いから一年経って、この全部を活かしきるのはまだ難しいけれど、写真を撮るとつい夢中になって、時間が経つのを忘れるほどカメラが好きになりました。

 

長くなってしまいましたが、これからカメラをはじめようと思っている方、もっと上達したいと思っている方に参考にしてもらえたら嬉しいです。

 

 

 

 

 

さいごに

そうだそうだ。すっかり忘れていました。私が買ったカメラの話。
私は、本体はCanonのEOS 70D。レンズはタムロンの広角-望遠用レンズを使っています。16-300mmズームです。

 

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AFが優秀、動画も撮れる。Wi-Fiで遠隔操作でシャッター押せるし、カメラから携帯に直接画像を送れて最高


 

カメラは手の出しやすい初級機から、プロ仕様の上級機まであります(ちなみに私のは中級機)。
私が勝手に考えていることなんですけど、この初級機から上級機の違いは自由度なんじゃないかなって思っています。

 


初級機は操作が簡単で、オートな部分が多いから、設定が決まりきっているぶん安価。だけど、細かい部分はいじれない。かゆいところに手が届かなくてモヤモヤする感じ。

逆に上級機はいじれる範囲が広すぎて、全部自分で調整しなきゃいけないし専門知識も必要になる。精密な分、値段も高い。ただ、努力次第では自分の理想に限りなく近い写真を撮ることが出来る。勝手にそんな風に思っています。ご参考までに!

 

 

それと、レンズはピンからキリまでありますが、私の買ったこのレンズ、かなりおすすめです。
だいたいの接写からずばーんとした風景まで、これ一本で撮れちゃいます。ほんと便利です。

 

もしメインで撮りたい写真が室内じゃなくて外だったら…
レンズが何本かあっても付け替えるのに時間や手間がかかるし、重たいので持ち運びで体力奪われます。しかも、付け替え途中で本体に致命的なゴミが入った場合、高額なカメラだとそのゴミを取るだけで数万円かかる場合もあるそうです。
でも、使うレンズが1本ならこれを全部解消してくれます。

 

なので、料理の写真も風景の写真も、私はこのレンズ1本で全部撮ってます。ちょっと値は張りますが、値段以上のはたらきをしてくれます。
Canonの純正レンズではないですが、有名なレンズメーカーさんで電器屋さんにも置いてあるので、気になる人はぜひ試してみてほしいです。

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!^^